相続こぼれ話


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第1話 サスペンス!?
−依頼者は偽装相続人?の巻−


 私がはじめてした相続の仕事は遺言の検認手続でした。お亡くなりになった方は、結婚されておらず子供もいない方でした。法定の相続人は3人の御兄弟ということでした。相続人の一人の方から依頼があり、本人の自筆証書遺言が残っていたので、遺言の検認手続(自筆証書遺言の場合は偽造などの防止のため、家庭裁判所による遺言の検認が必要)を行うことになりました。
 検認には、亡くなった方の戸籍・除籍謄本や法定相続人の戸籍謄本が必要です。戸籍を集めている過程で私はあることに気が付きました。「あれ? 依頼者が戸籍上、亡くなった人の兄弟とはなっていない!?」私は慌てました。「もしや、この人は偽者?」。実は、預かっていた遺言書は封書ではなく、一枚の紙に書かれたもので、一目で内容のわかるものでした。遺言書の内容は、依頼者唯1人を相続人とするという内容でしたので、私はますます依頼者を疑ってしまいました。
 私は依頼者の同意を得て、依頼者の戸籍を遡ってみることにしました。すると、なんと古い古い戸籍には依頼者が亡くなった人の兄弟だと記載されていたのです。「どういうことだろう?」私は悩んだ末、戸籍法の本を調べてみました。
 実は、昭和33年から戸籍制度が変わり、それ以前に結婚して旧戸籍から除籍された者は新戸籍制度のもとでは表示されないということが分かったのです。案の定、依頼者は昭和32年に結婚、新戸籍には記載されていなかったのです。依頼者を疑った自分が恥ずかしくなるとともに、ころころと変わる法制度については、ちょっと憤りを感じました。その後、検認は無事に終わり、財産の相続も兄弟の争いなく完了しました。
 ただ、何だか今でも私のなかではホロ苦い経験となっています。

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